完全にタイトルで出オチとなっておりますが、この休日前後の話題として、結構衝撃的なお話が飛び込んできました。
「そんなバカな!」と思う方もそれなりにいらっしゃるとは思いますが、原理的な話も含め、ためになったのでこの場で取り上げさせていただきます。ご存知の通り、illustratorはホームページ制作時やパンフレット制作時にもよく使用するソフトです。
Illustratorとは?
Adobe社のリリースしている、Illustratorというソフトウェアのことです。
かなり精密な印刷用の版下が作成できるため、印刷業の方と取引のある方、あるいは印刷業・出版業の方にはかなり馴染みの深いソフトです。
歴史は古く、1987年初頭あたりからMacintosh用に販売され、今に至るまで印刷業界のグローバル・スタンダードといっても過言ではないほどのシェアを確保しています。
かくいう私も社会人として最初に働いたのは印刷所のデザイン部署…。
先輩デザイナーに「線の太さが0.1mm違う」とか「書体が0.1級大きい」とか「まずはTimes New Romanのアルファベットのトレスを延々とやるんだ!」といった指示と共に、非常に厳しく鍛えられた思い出が蘇ります。逆に言えば、そのくらい厳密に細かく図形やデータが作成できるソフトウェアだということです。
そして、Illustratorに限った話ではありませんが、一般的なレタッチソフト等についている図形ツールはベジェ曲線と呼ばれる描画方法によって書かれています。
ベジェ曲線とは?(いままで私が捉えていた認識)
ベジェ曲線とは、細かい話を抜きにして簡単に説明すると「基準点Aから基準点Bまで線を引く際に、それぞれの点からベクトルを発生させることで曲線が書けるツール」です。
これまで、上記のようななんとなくの理解で使っていたのですが、絵面にするとこんな感じです。
上がベクトルなしのただの2点間を結ぶ直線、
下がベクトルが加わったために湾曲した、2点間を結ぶ曲線です。
特徴としては、基準点とベクトル量で線が決定されるため、縦横比を変えずに拡大縮小すれば形状が同一に維持されるというメリットがあります。
また、持っているのは基準点の座標とベクトル量の数値だけのため、画像と比べて非常に小さいデータ量で精密な値を持つことができますし、図形の大きさによってデータ量が増えることもありません。この2点の特徴が高解像度のデータに非常に向いていることから、スタンダードとなったものと考えます。
要するに、基準点を増やすことでどんな図形でも理論上は書けるツール、そういった認識で考えていましたし、実際にこの認識で困ったこともありませんでした。
ベジェ曲線とは?(正しい定義)
ところが、先日CADをメインで使っている方がTwitterでこの件を取り上げ
「CADツールにデータを落とし込むと正円が正円じゃないからそのままだと使えない」というツイートをし、一気に拡散されました。
細かい話は最後にご紹介するURLも見ていただければと思うのですが、ここで初めて私は恥ずかしながら「ベジェ曲線とはどんなものなのか」を知りました。
正確な定義としては、「N個の制御点から得られる(N-1)次曲線である」ということなのです。
つまり、厳密には「曲線を書くツール」じゃなくて「数式から算出される数値を利用してそれっぽく曲線を作るツール」だったのです。
ちなみに、こんな感じの数式で得られる曲線だそうです。一応理系の学科を一単位も落とさず卒業したはずですが、何が書いてあるかさっぱりわかりません。つらい。
ということは、いままで円を書いていると思っていた円ツールも…
実際には「正円っぽく整った3次曲線のグラフっぽい何か」だったわけで…
確認してみました
グラフで正円が厳密に書けるのかというと、実際どうなのでしょう。
というわけで、ちょっと円ツールで同じ円を2つ書き、重なったまま片方を少し回した状態のものを用意しました。
正円が書けているなら、いくら片方を回しても完璧に重なるはずです。
Illustratorを15年以上使っていて今更こんな話に気づかないわけが…
あっ…(察し)
うん、はい
正円じゃなかったんですねホントに…。
CADデータのように厳密でないといけないものを扱わない限りは影響がない、とのことでしたが、これはなかなかにショッキングです。
転んでも泣かない
デザイナーというものは、はたから見るといつも同じようなことをやっているように見えますが、日々の勉強やトレンドのリサーチを怠っているといつの間にか取り残されて容易には取り返せない技術職でもあります。
何しろ大して資格らしい資格もなく、基本的には腕一本でやっていく仕事です。目の前の制作物の出来が全てです。
そんな中で当然、今回のように知らないことを唐突に知る機会もあります。むしろアンテナを日々伸ばしているからこそ知ることが出来たとも言えるでしょう。
当社のデザイナー・コーダーたちは日々の勉強はもちろんのこと、こういった知識の刷新についても共有し、積極的に取り組んでおります。
最新の動向や流行を追ったデザインや表現など、是非エグゼクティブクリエイションへご相談いただければと思います。
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