ホームページを運用する上で重要なもののひとつ「ドメイン」。テレビのCMなどでもアドレスを読み上げることが多くなってきた昨今では、ドメイン名を聞く機会も増えているかと思います。
しかし、皆様はドメインに明確な種別があることをご存知でしょうか。
今回は大まかな種別のお話とともに、実際に運用する際はどういった基準で選定するべきかをご紹介いたします。
gTLDドメイン(ジェネリックトップレベルドメイン)
物々しい感じの名前の分類からご紹介となりますが、こちらは最も一般的なドメインです。具体的には「.com」「.net」「.org」等がこの分類に含まれます。最近では「.biz」や「.info」「.xyz」などといったものも見たことがあるかもしれません。
このドメインの特徴は「一部を除き、全世界の誰でも取得ができる」というものです。
こちらはICANNという団体が管理を行い、ICANNが認定した業者が個々に割り当てを行っています。この業者はレジストラと呼ばれ、私達がこういったドメインを取得する際は必ずこちらを通す格好となります。
ccTLD(カントリーコードトップレベルドメイン)
続いてはこちらです。名称から察しのつく方もいらっしゃると思いますが、「国・地域」に対して個別に割り当てされているドメインを指します。日本では「.jp」がこの分類にあたります。
他の例では例えば中国の「.cn」やイギリスの「.uk」といったものがあります。
こちらの取り扱いは地域によって差があり、日本のように「国内在住者しか取得できない」という制限を設けている国が大半ですが、中にはトンガの「.to」、ツバルの「.tv」のように、英単語として認識されやすいドメインを持つ国・地域が、外貨の獲得を目的として広く割り当てを許可しているパターンもあります。
属性型・地域型JPドメイン
こちらは少々特殊です。
「.jp」に分類されるドメインではあるのですが、特定の条件を満たした個人・団体のみが取得できるドメインとなります。
有名なものでは会社などに対して発行される「.co.jp」、教育機関の「.ac.jp」、独立行政法人や行政機関の「.go.jp」などなど、属している分類によって発行できるドメインが変わります。
ちなみにネットワーク関連の事業者には「.ne.jp」が割り当てられており、ネット回線などを取り扱う業者のホームページでよく見かけます。
選び方について
肝心な選び方ですが、基本的には運用費用と信頼度を天秤にかける形となります。
信用度の高いドメインほど、年間の維持費が高くなる傾向があり、信頼性との担保と考えていただくと良いでしょう。
では、信頼度は何を基準に決められているでしょうか。
ひとつは、「取得制限」です。
上記の例を見ても、例えば「.com」と「.jp」と「.co.jp」では、取得するための縛りに大きな差があることがわかるかと思います。
ある程度誰でも取得できる「.com」、
日本在住であることが最低限求められる「.jp」、
そして会社の登記が条件の「.co.jp」、
どれが一番社会的信頼度が高いでしょうか?
やはり「.co.jp」が一番です。
もう一つの基準は「運用年数」です。
上記の例では「.com」は信頼性がない…?というと決してそうではありません。(弊社も使用しております)「.com」は、取得制限こそ特にありませんが、こちらはインターネットの黎明期から長く世界中で使われているドメインです。
長く使われているドメインというものは、それだけである程度の信頼性が担保されています。
もちろん、「.co.jp」等の信頼性には勝てませんが、例えば「.com」は年に1,000円かからず取得が可能な場合もあります。しかし、「.co.jp」は年に10,000円以上の費用がかかることもあります。
また、信頼性の高いドメインは1団体で複数の所持ができないことが大半です。
費用の面や、複数の業態を取っているなど、運用の選択肢として「.com」や「.net」も十分に使用に耐えうるドメインなのです。
信頼度の低いドメインを運用しようとすると…
gTLDドメインは、段階的にその種類を増やしており、次々に新しいドメインが誕生しています。中には面白いものもあり、サービス業の方なら業態に合ったドメインを使いたいという希望もあるかもしれません。例えば旅行代理店なら「.travel」、ペットショップなら「.cat」なんて使えたら素敵ですよね。
しかし、それは止めたほうがいい場合もあります。
新しいドメインということは、既に取られている可能性が低いドメインとも言えます。
もちろんすべてがそうではないのですが、ここに問題があります。
例えば有名な企業にそっくりなドメインを取り、悪さに使おうとしたりといったことが発生します。
世界的に有名な企業は、こういったことが起きないように自社名の含まれるドメインをあらかじめ取得していることが多いのですが、新しいドメインについては把握が漏れている場合もあります。
つまり、新しいドメインのページへアクセスすること自体がリスクとなるパターンが存在するのです。
そんなものに引っかかるわけが、と思われるかもしれませんが、
例えば、あなたが大手の旅行代理店をよく利用していたとして、その店舗からという名目で先日予約した家族旅行の支払いに関するメールが届き、案内されているURLはいつも見ているページのものだけどドメインだけ「.travel」になっている…。あなたにはこれが本物のメールかどうか、判別ができるでしょうか。
もしかしたら、何者かによる詐欺かもしれません。
上記のような理由で「よく悪さに使われるドメイン」という印象を持たれたドメインは、どうなるでしょうか。
少しネットに詳しい人なら「ドメインを見ただけで避ける」という状況が生まれます。
得体の知れないサイトを見て、必要のないリスクを負いたくないからです。
結果的に、そういったドメインを運用するということ自体がマイナスとなってしまうのです。ドメインを語呂で決める方や、珍しいからと変わったドメインを取る方も一定数いらっしゃいますが、お薦めはいたしません…。
お金と時間による評価は代えがたい信頼性です
少々怖い話となってしまいましたが、やはり、皆様が普段からよく見ているドメインを取得されることが一番無難な選択となります。法人登記を行っていたり、教育機関などの特殊な団体に所属する方は、費用が少々高くても積極的に信頼度の高いドメインを取得されることをおすすめします。
個人でホームページを始めたい…といった方も「.com」や「.net」といったドメインを取ると良いでしょう。国内で例えばサークルなどを運営されている方には「.jp」などもお勧めいたします。
ドメインの信頼性は、あなたのホームページの信頼性に直結します。奇をてらってもあまり良いことはありません。
まずは普通に普通のものを取得し、普通に運用することから始めましょう。
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